ウィーバー株式会社ウィーバー株式会社

ウィーバー株式会社

候補者とコミュニケーションを取ることの重要性|島田君のパン屋さん 第2話 「虫の良すぎる話」

候補者とコミュニケーションを取ることの重要性|島田君のパン屋さん 第2話 「虫の良すぎる話」

書き出し早々ですが、これを読まれているみなさんに問いかけたいことがあります。

あなたが転職活動をしていたとして、2つの会社に内定が出ていたとします。その2社はあなたのキャリアプランにおいても、仕事のやりがいにおいても、報酬においても、文句の付けどころのない条件を提示してきてくれています。

条件としては、ほぼ互角。ではあなたは、そのような状況でどちらの会社を選びますか?

「一輪の花を摘んできて、花びらを一枚ずつむしって決める」という考えを持つ人は、きっと漫画の中だけでしょう。

今回はそのような「入社を決める理由」に繋がる一例を、「島田君のパン屋さん」のストーリーを通して解説していきたいと思います。

前回までのあらすじ

さて、パン屋さんを開業しようとする島田君のもとに、ユウコちゃんという女性が訪問してきました。島田君のミッション、ビジョン、バリューの話を聞き、ますます興味の度合いが増したユウコちゃん。

島田君は「是非とも働いてほしい」との旨を伝えましたが、実はユウコちゃんは町はずれにあるもう一つ別のパン屋さんからも、声を掛けられているのでした。

そのことを知った島田君は、ユウコちゃんに対して「日を改めて食事に行こう」と提案します。

島田君はなぜわざわざ、ユウコちゃんを食事に誘ったのでしょうか。

是非、ユウコちゃんになった気持ちで、下記のストーリーを読み進めてみてください。

第2話 「虫の良すぎる話」

ある日の昼過ぎ、ユウコちゃんは町の中心部にある繁華街を歩いていました。先日訪れたパン屋さんのオーナーである島田君と食事をするためです。モーゼが杖を突いたかのように雲が割れた晴天でしたが、ユウコちゃんの内心は実は晴れ晴れしているものではありませんでした。先日の島田君の誘いに対して、回答を曖昧にしてしまった後ろめたさがあったからです。

指定されたお店に到着すると、島田君が入口で待っていました。
「やぁ、先日はありがとう。今日も暑い中を歩かせてしまって申し訳ない。その素敵な髪型が汗で崩れてしまう前に店内に入ろう」

島田君のエスコートで席に着くユウコちゃん。オーダーを取った後に、こんな質問をしました。「今日はどうして、わざわざ食事に誘ってくれたの?」

島田君は答えました。「この前の会話だけでは、僕の人間性は1割も伝えられなかったと反省をしたんだ。是非一緒に働こうとは言ったものの、それを前向きに考えてもらうための十分な材料を君に渡していなかった。反省しているよ」

「私は十二分にお店のミッション、ビジョン、バリューを教えてもらった。けれど、何故だかあの場で決める事ができなかった」ユウコちゃんは島田君の目線から少し外して首元を見ながら言いました。「もう一つ違うお店で悩んでいるだなんて、島田君にしてみれば印象の悪い話だと思う」

島田君は「そんな事ないよ」と言って、テーブルの上の水を一口飲んで喉を潤わすと、透き通った声でこう続けた。

「人が仕事をする時に大きな要になるのは、この前話した内容も勿論なのだけど、何よりも一緒に働く仲間だと思うんだ」

ユウコちゃんはこの時に思い出したのです。別のパン屋さんのオーナーから言われた『君のことはよく知らないけれど、長く働いてくれるならすぐに採用してあげられるよ』という一言を。

島田君は続けます。
「どんなに優秀な経営者でも、どんなに優れたサービスでも、それを支える人間同士が持つ信頼関係には遠く及ばない。自分の事を何も話してもいないのに、“僕の会社の方針を理解してくれ!”だなんて虫が良すぎるじゃないか」

ユウコちゃんはこの日初めて、島田君の目を見る事ができたのでした。

なぜ島田君はユウコちゃんを食事に誘ったのか

「今日はどうしてわざわざ食事会に誘ってくれたの?」というユウコちゃんの問いに対し、

島田君は「是非一緒に働こうとは言ったものの、それを前向きに考えてもらうための十分な材料を君に渡していなかった」と答えました。

“自分自身が会社の面接を受ける立場で出会った場合に、どのようなきっかけがあれば前向きに入社を検討するのか?”を考えた結果、ユウコちゃんを食事に誘うに至ったのです。

経営者から会話をしてあげる事の重要性

会社の数だけミッションやビジョンやバリューが存在し、その中で働く人達のスタンスもそれぞれが異なります。さらに、その時々の会社のフェーズによって、課題も、求める人材も変化していきます。

では本記事の冒頭で触れたように、全ての条件が同等である会社2社のどちらか一方に転職ができる状況で、人は何をきっかけに会社を選択をするのか。それは島田君の台詞にもある通り「自分の話をしてくれて、信頼関係を構築しようとする人」がいるか否かが大きなポイントになるのではないでしょうか。

法人は法の下で人格が認められた、言わば法律的に人間と呼んで良い組織のことです。その法人を立ち上げた島田君。現状では法人(パン屋さん)=島田君と呼んでも過言ではない状況で、パン屋さんの信頼性とはつまり、島田君の信頼性と同じなのです。

入社後の「思っていたのと違かった」をなくすために

今回は島田君とユウコちゃんの食事のシーンを参考に、採用をする側が候補者に寄り添ったコミュニケーションを取ることの重要性をお伝えいたしました。

いかがでしたか? 今回の記事の内容をまとめると、下記となります。

  1. 転職候補先がいくつかある場合、候補者はどこを選ぶかの根拠を探している
  2. 入社の根拠となるのはMVVだけでなく、そこで働く人の人間性も大きく影響する
  3. 候補者の話を聞くだけ面接ではなく、経営者から話をしてあげる事が結果的に入社後のモチベーションに繋がっていく

会社がどのようなフェーズであっても、ひとりひとり誠実に対応をしていく。たったそれだけのことで、あなたの会社が競合と大きく差を付けるきっかけに繋がるのかもしれません。

「良い会社だと思っていたけど違った」と思わせないように、しっかりと人間的なコニュミケーションを取っていくことが、結果として離職のリスクを抑えることに繋がるのです。


※本記事に登場する人物はすべて架空のものです

文章・村木三 修(むらきみ おさむ)

2021年にライターとしてウィーバー株式会社にジョイン。現在は主に、自身の採用経験を活かしたHR関連のコンテンツ制作に従事している。