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待遇と福利厚生の重要性|島田君のパン屋さん 第4話 「それぞれが求めるもの」

待遇と福利厚生の重要性|島田君のパン屋さん 第4話 「それぞれが求めるもの」

島田君のパン屋さん第3話では、どんなに競合他社が増えても、自分達にしかできないことをやり続ければ、人は支持し続けてくれる可能性が高くなるというお話をお届けいたしました。

しかし、いくらお客さんに支持をされていたとしても、社内で働く仲間のモチベーションをないがしろにしてしまってはいけません。会社が大きくなればなるに連れて、細かい部分まで経営者の目が届かなくなるものです。

今回は、まだ組織が小さい内に改善でき得るところは改善した方が良い――そんなお話をお届けいたします。

前回までのあらすじ

島田君のパン屋さんで仕事を始めたユウコちゃんは、

自分達のお店によく来てくれるお客さんが、いずれ他のお店に取られてしまうのではないかと不安になり、島田君に相談します。

「それは、お金を出してわざわざ足を運ぶ映画館と同じく、“体験を買いに行っている”から」だと答える島田君。自分達のお客さんは、ただ単にお腹を満たすためだけにパンを買いに来ている訳ではなく、ユウコちゃんの丁寧な接客や寄り添った対応など、他の店舗では味わえないホスピタリティを体験するためにお店に来ているのだと言いました。

「私達は私達にしか出来ない事を純粋にやり続けていく」。

ユウコちゃんはそう心に決めたのでした。

島田君の経営論とユウコちゃんの仕事ぶりは、次第に新しい仲間を引き入れるようになります。新しい仲間を引き入れることは、会社という大きな箱の中に様々な価値観が共存し始めることを意味します。

さて、これまで社員個人の裁量に任せて来た島田君は、一体どのような行動を取るのでしょうか。

島田君のパン屋さん 第4話 「それぞれが求めるもの」

「このお店で働いていて、もっとこうして欲しいと思うものって何かあるかな?」

ある日の営業終了後、ユウコちゃんが店舗の片づけをしていると唐突に島田君が問いかけてきました。「いきなりどうしたの?」と、思わず眉間にしわを寄せてしまうユウコちゃん。この時間帯の島田君はいつも黙々と翌日の仕込みをしていることがルーティーンなので、フロアに出てくるのは珍しかったのです。

「近頃お店の評判が良くて売上も上々なんだ。君のおかげだよ」

「そんな。島田君の作るパンあってこその評判よ」

「ありがとう。そう言ってくれるとより身が引き締まるよ。でも君のおかげだと思っているのは本当なんだ」

「私も今日一日頑張って良かったと思えるわ、ありがとう。それで、さっきの質問はなんだったの?」

島田君は手元に持っていたファイルをユウコちゃんに見せながら「多くの人に知ってもらえたことで、ありがたいことに求人の応募が3件ほど来ていてね」

「えー!」

ユウコちゃんは満面の笑みを浮かべて手を叩きました。「一緒に働きたいって思ってくれるなんて嬉しいね!」

「本当にその通りだよ!だからこそ、ちょっと君に聞いておきたくてね」

「さっきの質問だと“こうして欲しいところ”ってことだったけど、魅力的なところではなくて?」ユウコちゃんは不思議そうな顔を向けます。

「魅力的なところも大切なのだけど、流石に“魅力”や“やりがい”だけじゃ満足度は高くなっていかないと思ってね」

「満足度?」

「誰もが仕事の裏に生活を抱えている。人によっては生活が表で仕事が裏なのかもしれないけれど」

「仕事を最優先にするか、プライベートを最優先にするかは人それぞれって事ね」

「その通り。だからこそ、仕事側への補償や制度に傾き過ぎてしまっていては仕事と生活の調和が取れないと感じられてしまうのではないのかと思ってね」

「なるほどね」

ユウコちゃんは思いました。自分が島田君への信頼で働き始めたからと言って、他の人も同じ理由で仕事を決める訳ではないのだと。来月の生活費を求めたり、自分の心の余裕を求めたり、自分ではなく自分の子供のために働き出そうとする人もいるはずなのだと。

「だからこそ、働く環境や制度で気になるところがあれば今のうちに改善して、よりお店の活気が出るように新しい待遇を設けて置きたいってことね」

「まさにその通りさ!」

それから二人は、それぞれの仕事を終わらせた後にバックオフィスであれこれと話し合いました。

決められた時間以上働いた時の残業代はどうしようか、年に一度健康状態を確認できるようにした方が良いのではないか、働いている人のプライベートで喜ばしいことがあった時に互いにハッピーになれる制度はないか、など。

気が付くと夜はもう深く、そんなつもりは無かったけれどもユウコちゃんのお腹がぐるぐると声を出しました。

島田君は何も言わずに小さく微笑み、キッチンからユウコちゃんの大好きなクロワッサンを持ってくると、そっと缶コーヒーと共にテーブルの上に置きました。

「ありがとう」と言って、クロワッサンを一口。

人それぞれ求めていることは違えど、自分にとっては島田君のパンを食べられるということも最高の待遇なのだと、ユウコちゃんは思ったのでした。

「仕事」だけでなく、その人の「生活」にも着目してあげる

「仕事を最優先にするか、プライベートを最優先にするかは人それぞれ」

何に重きを置いて毎日を過ごしているかは皆同じではありません。

「働かせている」という気持ちと「働いてもらっている」という気持ち、どちらが社員のモチベーション向上に効果的なのかは一目瞭然のはずです。

「待遇」と「福利厚生」

しかし、気持ちを伝えるだけでは継続的にモチベーションが維持できる保証はありません。

会社は「働いてもらっている」という気持ちを持つだけでなく、その気持ちを制度や権利として社員に還元することが重要なのです。「待遇」や「福利厚生」は直接の収益には繋がらないかもしれません。しかし、「待遇」や「福利厚生」は社員のモチベーションを向上させる可能性があります。

経営者はそのことを理解することが重要なのです。

人だけに依存しない強固な会社を作るために

今回は島田君とユウコちゃんとの会話を参考に、仕事だけではなく社員の生活にまで目を配ってあげることの大切さや、「待遇」と「福利厚生」の意義をお伝えしました。

いかがでしたか? 今回の記事の内容をまとめると、

  1.  仕事と生活、どちらか一方を優先する考え方では社員は満足しない
  2. 「働いてもらっている」という気持ちを持つことが大切
  3.  その気持ちを「待遇」や「福利厚生」に還元が社員のモチベーション向上に繋がる。

自分の思い通りに物事が進めることなど、人が介在している以上は無理難題です。人はいつだって気持ちをストレートに表現できる訳ではありません。

社員が自分から行動を起こしやすくするための環境づくりも、経営者の大きな役目なのです。


※本記事に登場する人物はすべて架空のものです

さいごに

今回は「待遇と福利厚生の重要性」という内容をお届けいたしましたが、いかがでしたか?

こちらの記事ですが、実は人が組織に共感する“採用4P”の内の1つ、「Privilege=特権・待遇」という要素がテーマになっているんです。

ライフワークバランスも会社を選ぶ上で重要視される要素のひとつです。

勤務時間や休日数は勿論のこと、子供がいる場合の柔軟な勤務形態や法定外福利厚生、オフィスの環境までも含めて会社を選ぶ人は数多くいるでしょう。

待遇や福利厚生も実は会社の大きな魅力の1つなのです。


文章・村木三 修(むらきみ おさむ)

2021年にライターとしてウィーバー株式会社にジョイン。現在は主に、自身の採用経験を活かしたHR関連のコンテンツ制作に従事している。