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中期経営計画に即した採用と教育の重要性|島田君のパン屋さん 第5話 「新しい挑戦」

中期経営計画に即した採用と教育の重要性|島田君のパン屋さん 第5話 「新しい挑戦」

島田君のパン屋さん第4話では、自分達の価値観だけではメンバー全員のモチベーションを向上させることは難しく、ひとりひとりの生活に寄り添った制度作りが必要だというお話をお届けいたしました。

島田君のパン屋さんも、徐々に採用を強めるようになってきました

さて、島田君は今後の経営と採用をどのように考えているのでしょうか。

前回までのあらすじ

ある日の営業終わり、島田君はユウコちゃんに「一緒に働きたいと言ってくれてる人達のためにも、お店で働いている中で改善してほしいと思う部分を教えてほしい」と問いかけました。

会社を選ぶ理由は人それぞれであり、その中には自分のプライベートを最優先にしている人もいる。仕事をするための保証だけではなく、自分のお店で一所懸命働いてくれている人が充実した生活を送れるように、プライベートにも寄り添う制度を設けるべきなのだと島田君は言いました。

島田君のパン屋さんは、その後の経営と採用したメンバーの働きのおかげで利益も上々に。新店舗を出すという話まで出てきました。島田君の作るパンと経営論が、より多くの人達に届こうとしています。

島田君のパン屋さん 第5話 「新しい挑戦」

パン屋さんのバックルームに貼られたA4紙を見つめながら、「なんかあっという間だったなぁ」とユウコちゃんは呟きました。同じ場所でデスク業務をしていた島田君が「突然どうしたんだい?」と聞きます。

「立ち上げた当時は2人だけだったなぁと思って。今こうしてその2人が揃ってバックルームにいるのに、店舗のフロアから元気の良い接客の声が聞こえてきてる」

島田君のパン屋さんは評判と共に売上が伸び、それに伴いメンバーも増え、今は島田君とユウコちゃん以外に5人のメンバーが働いていました。

 「だから君は、壁に貼ってあるシフト表を眺めながらしみじみ感傷に浸ってたって訳だね」

島田君は我が子の成長を喜ぶ父親のように歯を見せながら、少し余裕な態度で言いました。からかわれた気がしてユウコちゃんは「少しだけバカにしてるでしょ」と、これまた余裕そうな態度でくっとアゴを上げます。

「いいや。君のそういうエモーショナルな性格のおかげでこのお店は成り立っているのさ」

島田君が顔の高さまで手を挙げながら言います。

照れた表情で「何言ってんの!」と小さな声で呟いたユウコちゃん。すぐに切り替えて「そういえばこの前言ってた店舗展開の話ってどうするの?」と問いかけます。

つい先日、島田君は知り合いの不動産屋から隣町の物件を何件か紹介されていました。ユウコちゃんはバックルームでの彼らの会話を聞いていたのです
島田君は答えました。

「下見をした上で判断するけれど、問題がなければ積極的に展開しようと思っているよ。でも出すとしても1店舗だね」

「どうして?」

ユウコちゃんの問いかけに島田君はきっぱりと「人が育っていないからだよ」と答えました。

「君には改めて話すけれど、長期的な経営目標は海外への進出なんだ。現状、具体的な国にまで落とし込んでいるよ。そして中期目標は全国への展開。これはイメージが湧きやすいと思う。3年後には今の売上の10倍を目指している。その各目標に対して今僕達がやらないといけないことは“徹底的な教育”なんだ」

ユウコちゃんは島田君の言葉を、何の疑いもなく腹に落とすことができました。パン屋さん立ち上げから島田君が言い続けていたことだからです。「でも“徹底的な教育”ってフレーズは今まで聞いたことなかったけど・・」

「ただ単に店舗を広げることは、恐らく優秀な経営者であれば誰でもできるだろう。でもね、僕はパンを純粋に色んな人に届けたい訳ではない。“美味しさ”をいつでも提供できるように、研究や努力を惜しまないことが必要なのさ。そしてこれまでお店をやってきて一つの答えが見えたんだ」

「それはなに?」

「君だよ」

「わたし・・?」

戸惑うユウコちゃんの目を真っすぐ見て島田君は答えます。
「会社を大きくするに当たって採用の人数も大幅に増やしていかないといけない。けれど、ただ単に採用をしていっても意味がない。じゃあどうするか?」

「どうするの?」

「君がやって来たセオリーをより多くの人に伝え、それに共感してもらえる人を迎え入れる。君のホスピタリティ精神は、いずれ降り立つ海外という土俵の上でも必ず評価される。こんなにも普通のパン屋さんを、これだけ価値のある店舗にまで成長させてくれたのだから」

ユウコちゃんは、自分のやって来たことがそこまで大きな影響を与えているなどとは夢にも思っておらず、ただただ呆然と話を聞くことしかできませんでした。
「君のやり方をより多くの人に伝えるんだ。君自身もスキルアップをして、しっかりと教育ができる立場になってもらいたい」

「ちょっと待って」

島田君の言葉を断ち切るかのようにユウコちゃんは言いました。
「それって、もしかして、、」

島田君は再びニヤリとしてこう言いました。

「新しい店舗は、君に任せようと思っているんだ」

「目標」を達成するために「現状の課題」を把握する

3年後に10倍の売上を作るためには、人材の増員を行ったうえで自社の強みを崩さない運営体制を作ることが重要です。そこで取り組むべきだと打ち出した戦略が“ユウコちゃんのセオリーをしっかりと伝えて質を担保すること”と、その上で“海外展開を視野に入れたホスピタリティ溢れる人材の採用と教育に力をいれること”だったのです。

自社の内部環境に目を向けた上でブランドのイメージと利益向上に繋がる人材の要件定義を行うことは重要です。ユウコちゃんをロールモデルにすることで、今後入社するメンバーの動機づけと意識向上に繋がると島田君は判断したのです。

その上での現状の課題は“ユウコちゃんのスキルアップ”なのでした。

組織理解が採用力を高めていく

今回は島田君のパン屋さんの展望を基に、中期経営計画と採用の関係性についてお届けいたしました。

採用計画の立て方・作り方が分からない場合は、まずはこの中期経営計画に基づくことを推奨します。中期経営計画を作ることで採用の課題を洗い出すことができますし、組織がどこに向かおうとしているのかを理解することで、候補者に対してもわかりやすく自社の魅力を伝えることができます。

※これから採用を始める!という経営者の皆様は、まず本やテンプレートを用いながらでも中期経営計画を明確にしてみてはいかがでしょうか。

今回の記事の内容をまとめると、

  1. 採用計画の前に経営計画を考えることが重要
  2. 経営計画の目標の数字を達成するための課題を洗い出して採用戦略を打ち出す
  3. 採用の質を上げるための社内教育も重要

将来的な会社の姿を想像しながら採用を行うことが大切なのです。

 ※本記事に登場する人物はすべて架空のものです