ウィーバー株式会社ウィーバー株式会社

ウィーバー株式会社

目的に合わせた目標を立てることの重要性|島田君のパン屋さん 第6話 「わからなくて当たり前」

目的に合わせた目標を立てることの重要性|島田君のパン屋さん 第6話 「わからなくて当たり前」

島田君のパン屋さん第5話では、中期経営計画をしっかり立てることで、経営計画に即した採用戦略の打ち出しが可能になると説明いたしました。

店舗の拡大と人材の増員を視野に入れて動き出した島田君のパン屋さんがやらなくてはならないことは、目的と目標をしっかり設定すること、その上で現状の分析を行うことでした。

今回は新たなステージへと立ったユウコちゃんにスポットライトを当ててみましょう。

前回までのあらすじ

島田君は長期的な経営目標を海外への進出と打ち出し、3年後には10倍の売上を目指しているとユウコちゃんに話しました。そのためには、ユウコちゃんが実施してきたセオリーをより多くの人材に伝え、共通したホスピタリティ精神を持ってもらうための“徹底的な教育”が必要だと続けます。

ユウコちゃん自身の経験も必要であると考えた島田君は、彼女を新店舗の責任者に抜擢しました。

その後ユウコちゃんは任せられたポジションの仕事に一所懸命取り組みました。時には島田君の力も借りながらも、1号店に引けを取らない程に売上を作っています。さて、いよいよ新店舗の採用が始まろうとしていました。

島田君のパン屋さん 第6話 「わからなくて当たり前」

ある夜。営業を終えて自宅に戻ったユウコちゃんは服も着替えぬままにソファーに寄りかかりました。1号店のメンバーにヘルプで入ってもらいながらなんとか新店舗の売上作りを成功させてきたものの、そろそろ新店舗付けのメンバーの採用が必要になってきました。

採用に関してのノウハウがなく行き悩んでいたユウコちゃんは、島田君の仕込みが終わりそうな時間を狙って彼に電話をかけました。3コール鳴って通話に出た島田君が開口一番発した『電話来るだろうと思ってたよ』の言葉に、ユウコちゃんは戸惑いを隠せませんでした。

「え!なんでわかったの?」

『今日の日報に“そろそろ採用に本気で取り組む”って書いてあったからさ。君って有言即実行を絵に描いた人間だから、今日にでも相談してくるって予測してたのさ』

「わたしってそんなにわかりやすいのかな。。」

『すごく良い部分だと思うよ』

自分で理解していなかった自分自身の特性を聞いて顔を赤らめるユウコちゃん。恥ずかしい想いの陰で島田君の全能的な視野に感服しながら、今の悩みを打ち明ける。

「新店舗の売上も上がって来ているけど、いまの人的リソースだとすぐに上限が見えちゃうと思うのよね。だから採用を強めたいけど、やり方がわからない。自分がやろうとしていることが、島田君の中長期計画に即しているのかどうか、不明な部分も多くって」

『なるほどね。色々と話を広げてしまっても時間がもったいないからまず結論から言わせてもらうのだけど、君のその考えはとても正しいことだと思うよ』

「え?どういうこと?」

『店が目指している計画・方向を大前提において、その上で採用を考えようとしている。そこで具体的なアクションが出てこないのは仕方ないよ。やったことないからね。でも物事の本質を捉えているのなら、あとは知識のある人間に話を聞けば良いだけなのさ。だから電話してきたんだろう?』

ユウコちゃんは島田君の言葉を聞いて、最近心につっかえていたなにかが取れるような気がしました。やり方がわからないことが悪いことだと考えてしまっていたからです。

『まずは“目的と目標”を定めないといけない。そのためには経営計画が必要だよね。でも僕たちは経営計画をしっかりと作っている。なので、そこから逆算をする。3年後の売上を作るためにはいつまでに何人の採用が必要なのかを導き出す。そして、自分たちが採用を進めるために解決しないといけない課題はなにかを分析する。自社の長所と短所、独自性と事業のリスク。それらを全部含めて行動計画を作っていくんだ』

「ちょ、ちょっと待って。速すぎてなにがなんだか。。」

『大丈夫。少しずつやっていけば良いさ。まず事実として、3年後の売上を10倍にしていく。そのためには単純計算で、あと8店舗を新しく作る必要があるね』

「うん、そうなるわね」

『現状で、1店舗に何人のメンバーがいるかな?』

「島田君や私を抜いて、1号店に7名。その内2名がほぼ新店舗のヘルプに回ってもらっているね。でもヘルプで人を取ってしまっているから、1号店は少し大変そう」

『じゃあだいたい1店舗でメンバー7名が必要だとしよう。あと各店舗には責任者が必要だから、合計で8名。3年後には80名のメンバーが必要という計算になる』

「80名。。すごい規模だね」

『それくらい人を増やさないと、僕たちのビジネスは成り立たないってことだね。今年を含めて年でだいたい26名が必要だ。7名はすでに採用済みだから、今年はあと19名だ。でも、新店舗が増えないと人も増やせないから、そこは僕がやっている。君の目標は単純に7名を新店舗で採用すること』

「逆算でしっかり考えていくと、漠然と7名の採用に走るより納得感がある。。」

『そうでしょ?物事には理由を作ってあげないとね。7名の採用をするために、自分達はなにを強みとして打ち出していくのか。逆になにを弱みとして理解するのか。採用を進める上で候補者の心を掴める機会はなにか。そして脅威はなにか とかね。そういうのを一度全部洗い出しするのが良いと思うよ』

「うん、わかった!目標に向かって走り出すために、私なりに島田君のパン屋さんを分析してみる」

『よろしく頼むよ。きっとうまくいくさ』

採用成功のための行動を作り上げる

年間で26名の採用を達成するためには、各月で2名以上を採用する必要があります。内定承諾に至るまでの割合を最終面接者に対して40%だと仮定すると、最低でも5名と最終面接を実施しなければなりません。さらに2次面接から最終面接までの通過率が30%、1次面接から2次面接までが80%、書類選考から1次面接までが70%だった場合、毎月約30名の応募者を集めなくてはなりません。

目標からの逆算を行い、定量的な指標を置いた後には採用の効率化を考える必要が出てきます。30名の書類選考という骨の折れる業務を行わずとも、レッドオーシャンの中にいても他社と差別化できるポイントを掲げることができれば“数打ち当たれ”の採用から“意向度の高い候補者だけが来てくれる”採用に変換が可能になるでしょう。

3年後の売上を実現するためには、自社の理念や方向性に共感をしてくれる優秀な人材を採用する必要があるので、ただ単に各月2名以上の採用を数字だけで追ってしまうことは本質的ではありません。

いつまでになにをすべきなのかを理解する

今回は島田君のパン屋さんの採用に関する会話を基に、目的に合わせた目標を立てることの重要性についてお届けいたしました。

今回の記事の内容をまとめると、

1.      経営計画実現のための採用計画(KGI)を定量化し、年間ないしは月間のKPIに落とし込む必要がある

2.      KPIに落とし込んだ上で自社の強みや弱みを分析し、レッドオーシャンの中で差別化できるポイントを探し出す

3.     差別化ポイントを洗い出して採用の質を高めることができれば、KPI実現のための採用通過率の向上にも繋げられる

ただ漠然とKPIを追い続ける採用は本質的ではありません。いつでも目的に合わせて目標を遂行していく必要なのです。


 ※本記事に登場する人物はすべて架空のものです