貴社のエンジニア採用、順調ですか?
優秀な人材を見極め、内定を出しても、最終的に入社に至らないケースが続けば、採用活動に費やした時間とコストが無駄になりかねません。当社ウィーバーはこのような企業ごとの課題に寄り添い、具体的な解決策を提供してきました。
今回ご紹介するのは、ITインフラの構築・運用や業務自動化支援を手がける企業が、当社の支援を通じて内定承諾率を「7.3倍」にまで劇的に改善した事例です。この成功の鍵となったのが、最終選考に進む求職者を徹底的にサポートする「リクルーター施策」。一見単純に思えるこの手法が、どのようにして大きな成果を生んだのでしょうか?
当社は、クライアントと二人三脚で施策を設計し、実行後の効果検証や仕組み化までを徹底サポート。本記事では、この成功事例の背景や施策の具体的な内容、さらには導入後の仕組み化について、当社採用コンサルタント(國井)のリアルな声を交えながら解説します。
採用に課題を抱える企業の皆様が、即実践できるヒントが満載の内容です。ぜひご覧ください!
– クライアント様の内定承諾率を7倍以上改善することに成功したそうですね!どういう企業様で成功したのでしょうか?
國井 はい、ITインフラの構築や運用を受託する企業様で、200名超の従業員を抱える企業様になります。新しい技術を積極的に取り入れ、取引先のインフラ運用を支援されています。今回はエンジニアの新卒採用にて内定承諾率の改善を達成できました。
– なるほど。IT業界の中でもインフラの構築運用を受託する企業ということは、エンジニアの採用人数が増えるほど提供できるサービスの量が増え、売上増につながっていくようなビジネスモデルだと想像できますね。
國井 はい、この業界において採用人数というのはかなり重要な経営指標になります。上場する同業他社の決算発表資料でも、新規採用人数は重要なトピックになっています。
– そもそもなぜ内定承諾率が重要なのかを教えていただけますか?
國井 一般的に、採用活動では「内定承諾した求職者の数」をKGI(重要目標達成指標)に設定するケースが多く、目標採用人数の達成にはその率、つまり内定承諾率が重要になります。営業現場でも提案後の受注率を指標として改善に繋げることがあると思いますが、採用でも同じように承諾率をモニタリングし改善します。

求職者が求めるコミュニケーションができず内定承諾率が低迷
– そういうことですね。國井さんの感覚として内定承諾率はどれぐらいを目標とするのがいいとお考えでしょうか?
國井 だいたい50%ぐらいだと思います。色々な企業様の支援をしてきましたが、業界を問わずどの企業様もこのあたりを目標とされるケースが多いと思います。
– このIT企業様の内定承諾率はどれぐらいだったのでしょうか?
國井 具体的な数字を上げることは避けますが、先ほどお伝えした目標値よりもかなり低い数値で、大きな問題でした。
– そうなんですね、、、IT業界は人気なのに、なぜその企業では内定承諾率が低かったのでしょうか?日頃の活動から気づいたことや仮説はありますか?
國井 理由は2つあります。一つは「同業他社と比較して、求職者とのコミュニケーションの密度が薄く、彼らの疑問に十分に応えてあげることができていなかったこと」です。
業務内容、応募資格、待遇、キャリアパスなど、最低限必要な情報提供はしていましたが、求職者が持つ個別の疑問に応えられるような体制や仕組みが、採用プロセスに組み込まれていませんでした。そのため、同等の条件で他社から内定通知をもらった時に、他社を選ばれている状況だったのでは?と想像します。つまりこちらから一方的に情報提供しているだけだったと言い換えることもできます。よって求職者への個別の疑問や声に柔軟に対応できていなかった部分がありました。
もう一つは対応窓口が人事部に限定されていた点です。エンジニア採用をしているのに、求職者との主要なやりとりは人事部が行っていました。エンジニアを目指す人は、エンジニア社員から仕事内容ややりがい、会社のいいところ(や変わってほしいところ)を聞きたいと思うはず。それができないことがボトルネックになっていたと思います。
– 確かに先輩社員からリアルな話が聞けないと求職者は不安になりますよね。内定を辞退した求職者からその理由を聞くことはできましたか?
國井 聞こうと試みたのですが、理由すら教えていただけないことが多かったですね…。比較検討した結果他社に行くなら、それなりの理由はあるかもしれません。ですが、それすら教えてもらえないとなると、やはり求職者の疑問に充分応えられていない状況が問題なのかもしれないと、課題の大きさを再認識しました。
内定承諾率7倍改善!ポイントはリクルーターの役割を再定義し運用したこと

– そうでしたか…企業側からの一方的な情報ばかりだと、自分が興味のない話をずっと聞かされているような感覚になるのかもしれませんね。この状況を大きく改善した施策が「リクルーター施策」ということですね。何を行ったのか詳しく教えてください。
國井 はい、採用活動における「リクルーター」とは、「企業や組織が求める人材を探し、選定し、雇用するために雇われる専門家」のことを指します。この企業様向けには少し定義を変え、「最終選考に進む求職者に対してあらゆる面でアドバイスを行う相談役」とし、内定を出すまでに出てくるいろんな疑問に応えるような体制を作り実行しました。
– なるほど、最終選考に進む方に絞った相談窓口を設置したのですね。実際この施策を行って内定承諾率はどれぐらい改善したのでしょうか?
國井 当初の7.3倍になりました。ここまで改善ができたのは正直嬉しかったですね!
– 7倍は確かにすごいですね!施策を始めた当初は何名のチームだったのでしょうか?
最初は私が先方の採用担当代理として一人でこの活動を始めました。
– えっ、一人で始めたんですか!?結構大変そうに聞こえるのですが…
國井 はい、正直大変ではありましたね。求職者一人あたり1時間じっくりお話しし、それを3ヶ月、結構な人数の方向けに行ったので、時間はかかりました。
– じっくり時間をかけて求職者と向き合ったのですね。先ほどあらゆる面でのアドバイスを行うとおっしゃっていましたが、具体的にどんなことをしましたか?
國井 就職活動に関する悩みの相談に乗ったり、他社検討状況も踏まえ、自社に入社いただくことのメリットはもちろん、デメリットも全て隠さずに話したり、面接に関するアドバイスを行いました。このような活動を通じて自社への入社意向や信頼を高めるということを目指しました。
承諾率アップのもう一つの秘訣は「求職者とのフラットな会話」
– 文字通りあらゆる面で相談に乗っていたのですね!でも求職者はすぐに心を開いてくれるものなのでしょうか?
國井 いい質問ですね。リクルーターへの相談は合否に影響しないことをまず最初に求職者に伝え、その上で相談に乗るようにしていました。そうすることで、就職活動の状況や他社選考の進捗具合など、こちらとしても聞きたい情報をかなり詳細に話していただけるようになりました。
– 確かに合否に影響しないことがわかっていたら話しやすいですね!その他求職者が相談しやすくするために工夫した点はありますか?
國井 いい情報もそうでない情報も包み隠さずに話すようにしました。競合とこの企業両方の選考が進んでいる方には、それぞれのメリット、デメリットを話すようにすることで自分が納得するような決断をしてもらうように心がけました。
– 求職者にとって知りたいと思う情報を正直ベースで伝えるようにしたんですね。この施策を行ってから、求職者の方からはどんなフィードバックがありましたか?
國井 相談しにくいことを相談できてよかった、と感謝していただくことが増えました。また内定を承諾した方からは「リクルーターのおかげでこの会社で働くことを決めた」と言っていただくこともありました。それを聞いた時は嬉しかったですね。
この施策を管理職向け研修に組み込むことで仕組み化

– 求職者の悩みに寄り添うことの大切さが分かるいい例ですね。では次に、この施策をどのように仕組み化、組織化したのかを教えてください。
國井 この施策で内定承諾率に大幅な改善が見られることがわかってから、この企業の主任研修の一部に「リクルーター研修」としてこの施策を導入することとなり、そこから仕組み化が加速しました。研修の講師として私が招かれ、エンジニア部門の主任総勢30名ほどにリクルーターの心得をレクチャーさせていただきました。
– なるほど、社内研修コンテンツになったのは大きいですね!でも研修コンテンツになったからといって、施策をすぐ軌道に乗せるのは難しそうな気もするのですが、その辺りはいかがでしょうか?
國井 鋭い指摘ですねw 確かに当初は「なぜエンジニアがリクルーターとして業務時間を使わなければいけないのか」といったネガティブな意見もありました。そこで私が皆様にお伝えしたのは「あなたと一緒に働くメンバーを自分が選べることの意味」や「自社の採用プロセスに自分が関与すること自体がマネジメントスキルの向上につながる」といった点です。
エンジニアとしてのスキルを磨くことだけでなく、組織作りに参画することも自身の成長機会である点を理解いただけるようになってからは、皆様前向きに研修に参加くださるようになり、成果も上がるようになりました。
– 最初國井さん一人で始めた施策が組織化されたことでどんな手応えを感じましたか?
國井 やはりエンジニア採用を自社の重要課題と捉え、現場のエンジニアも巻き込んで採用活動ができるようになったことで、会社全体の採用力向上につながったと思っています。私一人でやるよりも組織としてコミットした方が成果は出やすいですからね。会社の活動として重視していただけるようになったことはやはり嬉しいです。
今後はエンジニア部門でのさらなる浸透を目指す
– 施策の成功を踏まえて、今後どのような活動へと繋げていきたいですか?
國井 リクルーター施策はまだ初期段階で、今後さらに活発にしていく必要があります。今後はリクルーターに向いているエンジニアさんで、かつ楽しんで対応できる人を専任で何名か任命して徐々にその輪が広がり、クライアント全体の採用力を上げられると良いなと思います。
– 同じような課題を抱える採用担当者に向けて、何かコメントをいただけますか?
國井 自分ですべてやろうと思うと大変だと思います。実際、この施策に着手した当初は私もめちゃくちゃ大変でした汗
現場や周りの人に頼る事は悪いことではないと思います。最初は小さいグループでもいいので周囲を巻き込んで結果を出すことが重要です。それが会社全体の動きとなり良い方向に進められるはずなので、1人で抱えないようにすることをお勧めします。
本日はありがとうございました。
まとめ
いかがでしたか?今回ご紹介した事例では、内定承諾率を7.3倍に改善した「リクルーター施策」の成功ポイントを解説しました。その背景には、以下の取り組みが挙げられます。
求職者に寄り添うリクルーターの役割を明確化
リクルーターを「相談役」と位置付け、求職者の疑問や不安に丁寧に対応。合否には影響しないと明示することで、安心して相談できる環境を構築
透明性の高いコミュニケーションの徹底
求職者が知りたい情報を正直に伝えることで、企業への信頼感アップ。他社との比較も交えた率直なアドバイスが、入社意向を後押し
施策を仕組み化・組織化
最初は一人で始めた施策を組織全体に広げるため、研修を通じて仕組み化。会社全体で採用力向上に取り組む基盤作り
これらの取り組みにより、内定承諾率の大幅改善だけでなく、求職者からの信頼獲得や企業全体の採用力向上にもつながりました。
採用活動に課題を抱えている皆様も、求職者の目線に立ったコミュニケーションやプロセスの改善を取り入れることで、採用の成果を向上させるヒントが得られるのではないでしょうか。
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